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クーラント(LLC)の代わりに水を入れるとこうなります。

本日はお引き取りしたスマートディオを分解をしました。

エンジン始動後しばらくのるとエンジン警告灯が点灯して同時にスピードがでなくなって、まともに乗れないとの事で引き取り依頼がありました。

ショップでも買い替えを勧められたそうです。

スマートディオ系の水冷エンジンは水温が上がりすぎるとエンジンが壊れるのを防ぐために20㎞/h程度しかスピードがでなくなるように設計されています。20㎞/hというのはなんとかバランスをたもって走れるという程度で、ママチャリにも追い抜かされます。

まずはラジエターの内部を見てみます。

クーラントが入っていませんし、内部がサビ?または固形化した何かが詰まっています

 

クーラントを抜いてみました。

通常は青か緑のクーラントですが茶色の液体が出てきました。

クーラントは長年交換せず劣化すると透明になる事がありますが、独特に臭いを発しています。今回のはそれもありません。

おそらく水道水を入れたのではないでしょうか、、、。

 

ラジエターはもう使い物になりません。

ウォーターポンプも外側からみて、茶色くなっているので外していきます。

サーモスタッド&ウォーターポンプを取り外しました。

中はグチャグチャでした。

廃棄確定です。

ラジエターとウォーターポンプの手持ちがあったので、交換してクーラントを入れてみましたがエンジン横のクーラントドレンボルトからクーラントが出てきませんでした、、、、。きちんとクーラントがまわりきれていません。

ということでエンジンを下して腰上を分解してみました。

といってもこのエンジンは車みたいにシリンダーとクランクケースが一体式なのでヘッドを取り外すだけです。

ヘッドを取り外しました。

ウォータージャケットに固形物が溜まっていました。

なぜかさっき入れたクーラントが凝固剤を入れたみたいに固まってしまっています。

 

ヘッドの画像です。

固形物が完全に通路を塞いでしまっていました。

この時点でエンジンクランクケースやヘッドは使えない事が確定しました。

エンジンはアルミ合金でできていますがサビが内部に発生すると、もうどうしようもありません。

圧入しているホースの金具も茶色サビて朽ちてしまっていました。

 

色々説明しましたが、経験的に話を聞いた段階で結果が予想できていました。

ECUや水温センサーの故障も考えられますが『しばらく乗ってから警告灯が点灯する』という場合はホントに温度上昇がある場合が多いです。

幸いエンジンを始動して異音もなくオイルに水分も混入もなくノーダメージだったのでクランクケースを割ってクランクシャフトというエンジンの根幹部品を取り外してリサイクルに回すことにしました。

ズーマーなど人気車種と共通部品なので需要はあるのです。(新品を購入すると高い部品なのです)

こうして部品を有効活用しております!というのと、クーラントの代わりに水を入れるとこうなりますよ。というお話でした。